ネットショッピングでロケットが売れた

最終更新: 6月22日


 中国のネットショピングではライブ販売が盛んである。ジャパネットたかたのテレビショッピングのように、紹介者が魅力的に商品を紹介して売る方法である。例えば2019年11月の独身の日には、タオバオライブだけで約3000億円の売上が上がった。市場規模は経済の動向を左右するくらいの大きさにまで成長している。販売方法でテレビショッピングと大きく異なる点は、フォロワーを多く抱えるインフルエンサーが紹介することだ。


 そのタオバオライブで、史上初めてロケット販売が成功した。しかも日本円で約6億円(4千万元)くらいするロケットが売れたのである。


 3月27日にアリババ社の公式weiboアカウントから「ライブ販売でロケット、衛星、恋人、ベビーシッターなども売ったらどうか?」というコメントが発信された。多くのネットユーザーがこれに反応し、トップインフルエンサーの薇娅(うぇいやー)に対して「ロケットを準備してほしい」と発信する者もいた。薇娅は「いいけどどこにロケットがあるの?」と返した。すると航天科工ロケット技術社(航天科工火箭技术社)は薇娅に対して「弊社がロケットを提供できます」と発信した。航天科工ロケット技術社はこれまでに8回の商業用ロケットを打ち上げた実績のある会社だ。


 今回ロケットがネットで売られた背景にはコロナ禍がある。ロケットを販売した航天科工ロケット技術社は、コロナ禍で外出ができなくなり、販売先の開拓に苦慮していたという。


 3月30日、アリババ社の公式weiboアカウントから、世界初のライブ配信ロケット販売を行うとのコメントが発信された。折しもライブ販売の予定日が4月1日だったため、「エイプリルフールではないか」という反応もあった。


 売りに出されたのは、快舟(かいしゅう)1号(KZ-1A)というロケットである。正規価格は約6億8千万円(4,500万元)。紹介したのはインフルエンサーの薇娅(うぇいやー)である。快舟ロケット首席科学家助理も登場し、予算、目的、用途、ロケットの種類、法規制、広告宣伝などについて細かく説明を行った。


 今回は、初のロケット販売ということで7千万円(500万元)のディスカウントが提供された。ロケットを購入するには750万円(50万元)の手付金を払わなければならないが、それにも関わらず、開始5分で800人が手付金の支払いボタンをクリックした。最終的に売買が成立したのは長光衛星技術社(长光卫星技术社)という、リモートセンシングや衛星周りの研究及びビジネスを行なっている会社だ。


左の写真はタオバオライブで航天科工ロケット技術社の快舟1号ロケットを販売している様子。

紹介者はインフルエンサーの薇娅(うぇいやー)。

購買予約のためには50万元の手付金を支払う必要がある。




 ライブ後、快舟ロケット首席科学家助理は、「コロナの影響で2ヶ月近く外出できずKPIが達成できないと思っていた。そんな時にロケットが売れた。タオバオに感謝しかない。暖かい気持ちになった。」とweiboでコメントしている。


 4月2日現在、航天科工ロケット技術社と長光衛星技術社との契約手続きは順調に進んでおり、ロケット自体は2020年6月から発射可能である。