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執筆者の写真CB編集部

便利なタクシー忘れ物サービス

 DiDiは日本でもタクシーの配車サービスを行っているので、知っている方は多いだろう。北京市に本社を置く会社で、中国の400都市、4億人以上のユーザーを対象にサービスを提供している。日本では2019年にソフトバンクと合弁でDiDiモビリティジャパンを作った。


 この中国の大手配車サービス滴滴出行(ディディチューシン)は、タクシーの忘れ物サービスをリリースした。今回リリースしたサービスは以下の3つである。ちなみに写真は「滴滴出行」アプリの3つのサービスの選択画面である。

  1. 忘れ物を宅配便で返送するサービス。送料は乗客負担。

  2. 忘れ物を交番に届けるサービス。交番へは乗客が取りに行く。

  3. 忘れ物を指定された場所までタクシーで配送するサービス。乗客はタクシー代を負担する。その際に、通常DiDiが取っているマージンは取らない。


 今回DiDiがリリースした忘れ物サービスは、ユーザーの意見を元に作られている。今後、300都市で展開する予定だ。サービスはユーザーがタクシーを利用してから48時間以内に限り使える。


 タクシーの忘れ物は非常に多い。DiDi社が2020年6月に行ったアンケート調査によると、タクシーに忘れ物をした人は51.3%もいた。また2020年前半だけで、DiDiのタクシーの忘れ物件数は85万件もある。2020年6月には19万9464件の忘れ物があった。一方無事に持ち主の元に戻った忘れ物の率は、2020年上半期で65.2%だった。


 DiDi社は忘れ物を効率よく持ち主に返す方法をずっと模索してきた。DiDiには忘れ物対応チームがあり500人も人員がいる。これまでの調査から、忘れ物をした場合、30分以内が一番良く見つかる事が分かっている。こうしたことから今回「忘れ物返却サービス」をリリースしたのだ。


 「忘れ物を返却サービス」は、ユーザーが忘れ物をしたと思ったら、アプリから申告でき、返却方法まで指定できるので、対応が早い。2019年にDiDiが成都市(せいとし)で試験運用したところ、サービスセンターへの忘れ物申告は20%減り、クレームが47%減った。


 例えば「忘れ物を指定された場所までタクシーで配送するサービス」を利用する場合の流れはこうだ。

  1. 乗客から運転手にアプリを通じて忘れ物の連絡

  2. 忘れ物の確認

  3. 「忘れ物を指定された場所までタクシーで配送するサービス」をアプリで選択

  4. 届け先の住所を入力

  5. タクシー料金を先払い

  6. 到着後乗客の身分証明書を確認した上で引き渡し。


 指定された住所までの料金は、距離、時間、車の大きさ、エリア、平均的な金額から、AIによって算出される。利用可能時間は8時から22時である。


 それでは、忘れ物が携帯電話だった場合はどうなるのか?実際にDiDiでは2020年前半だけで、20万台以上の携帯電話の忘れ物があった。そのうち見つかったのは14万台で、6万台は行方不明であった。このように、ユーザーが携帯電話を忘れた場合は、誰かの携帯電話を借りてDiDiのサービスセンターに連絡すれば良い。本人確認ができれば、顔認証機能を使って、他人の携帯電話からでも自分のDiDiアプリにログインができる。後は同じ機能を使って、忘れた携帯電話を届けてもらう。今後もDiDiは忘れ物サービスを進化させる予定である。






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