中国では大学入試は6月に行われる。入学は9月だ。
そして、今年はコロナの影響で、7月7日、8日に大学統一入学試験が行われた。
聞いたことがあるかもしれないが、中国は学歴社会で、受験競争も激しい。人口が多いので、大学も狭き門だ。いわんや名門大学をや。
さらに一人子政策が始まってから、親のみならず、一族の目が子供に集まるようになった。言わずもがな、大学受験はビックイベントだ。
今年は統一試験を1071万人が受けた。同じような試験である日本のセンター試験は、令和2年の受験者数が53万人弱だったので、その規模の大きさが分かる。
そんな大学受験は様々なドラマを生む。
以下は、そんな2020年版大学入試にまつわる興味深いエピソードのご紹介である。
受験生専用の無料タクシーがある
受験生が無料で利用できるタクシーが毎年提供される。
ちなみに、中国では受験に遅刻しないように、前日から試験会場の近くのホテルに泊まることが多い。しかも親子で泊まる人が多い。
身分証明書を忘れた受験生を警察が助ける
試験会場では、本人確認を行うための身分証明書が必携である。しかし、7月7日の受験初日に、試験会場に着いた親子が身分証明書を忘れたことに気づいた。すぐ様、警察に助けを求めた。
すると、近くの警察が現場に向かい、本人確認を行い、臨時の身分証明書IDを発行したのだ。日本では考えられない対応だ。
船で受験会場に向かう
聞いたことがあるかもしれないが、今、中国の安徽省(あんきしょう)は50年に1度と言われる洪水被害にみまわれている。辺りは水深1mくらいの水に覆われてしまった。その影響で、7月7日の試験は9日に延期された。科目は国語と数学。
そして、9日には受験会場に船で向かう受験生が見受けられた。
試験会場を間違えた学生をバイク警官が助ける
試験開始4分前に、試験会場が間違っていたことに気づいた受験生がいた。河南省で起きた出来事である。受験生は、すぐに警察に助けを求め、なんと警官は受験生をバイクに乗せて、正しい試験会場まで送り届けたのだ。警察は彼を9分で届け、ギリギリ5分過ぎに試験会場に入れたと言う。10分程度経過すると、もう試験会場には入れなくなるので、正に間一髪だった。
受験する前にクラスで孔子に願かけ
湖南省(こなんしょう)では、合格祈願をかけて、孔子にお参りをした。孔子は、中国では頭の良い人の象徴で、一種の願かけである。これを主導したのは高校の先生。しかし、写真のようにあまりにも大規模になったので、ネット上で話題になり、賛美両論の声が。「結局、実力勝負なんだから、こんな迷信信じてもしょうがない。落ちたら孔子のせいにする人もいるかも知れないが、全ては自分の実力だよ。」など、なんとも冷静なツッコミが入った。
テスト中イライラして他人の答案用紙を破る
河南省(かなんしょう)の受験生は、テストの出来が悪くイライラしていた。そして、この受験生は突然立ち上がって同じ会場にいた受験生二人の答案用紙を、突然取り上げてビリビリと破ってしまった。
答案用紙を破られた二人は、試験時間を延長され、何とか回答ができた。
そして答案用紙を破った当の受験生は、もう嫌になったのか、午後から試験に来なくなった。
試験が終わった万歳!
見ていただきたい。試験が終わった後のはじけた様子を。そして、お母さん達はなぜかチャイナドレスでお出迎え。子供と写真を撮ってウェイボーやウィーチャットに上げるのだ。インスタ映えを狙っている。
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