日本でもメジャーになった中国コスメ
日本で中国コスメがメジャーになりつつある。2019年からSNSで話題になり、現在ではLOFTやPLAZAに中国メイクのコーナーができている。
中国コスメの特徴としてまず挙げられるのが見た目にこだわっているところである。パッケージが芸術的だったり、リップやファンデーションに芸術的な刻印が入ったりしている。大英博物館とのコラボ商品なども出ていて、SNS映えの時代に合っている。
中国コスメを使ったメイクはチャイボーグメイクと言われる。サイボーグのように人間離れした美しいメイクという意味だ。チャイは中国を表す。中国コスメの前にブームが来た韓国コスメもオルチャン(美少女)メイクと言われていたがニュアンスはこれと同じだ。
写真はLOFTの中国コスメコーナー(右が大英博物館とのコラボ商品)
撮影場所:銀座LOFT
現在の中国コスメ市場
中国コスメの国内消費額はすでに世界第2位である。2021年のデータを見ると、コスメの生産免許を保有している会社が5,400社超、2019年の中国化粧品業界の売上額が2992億元(約5兆円)、この年の成長率が113%となっている。
販売チャネルはECが伸びており、Tmall、Kaola、JD.comなどのECサイトでの売上が伸びている。この流れはコロナ禍で更に加速した。
中国コスメのターゲットはZ世代
中国の「双十一(独身の日)」はECサイト「タオバオ」でセールが盛り上がる日だ。2019年の独身の日において、コスメ売上ランキング1位になったのは「完美日记(わんめいるーじー)」という中国コスメブランドだ。以前はメイベリン、エスティローダー、ランコムなどの海外ブランドが人気だったが、Z世代は国内ブランドを好む。
中国コスメのメーカーがターゲットにしているのはZ世代だ。Z世代は1995年から2010年くらいの間に生まれた人達で、スマホ、SNSなどと共に育った世代である。Z世代は国産コスメに共感し、ハイブランドへの憧れが薄く、ブランドよりも商品特徴を重視する。このようなZ世代に中国コスメメーカーは注目した。Z世代は中国総人口の24%を占めており、消費力も旺盛だ。消費のためにネットバンキングでお金を借りる人も多い。
SNSが消費を促進させる
スマホやSNSで育った世代をターゲットにする時に、SNSを通じたコミュニケーションはとても重要だ。Z世代をターゲットにする時には、CMや雑誌でコスメの世界観を伝えることよりも、SNSに書かれている口コミをいかに良くするか、バズらせるかがより重要である。Red、tiktok、BilbiliなどのSNSは、中国コスメのコミュニケーションの主戦場である。今やコスメのブランディングはCMや雑誌を通じてなされるのではなく、SNS上に良い口コミが書かれるバイラル効果でなされる。
海外メーカーからするとこれは参入障壁になる。そもそもRed、tiktok、BilbiliなどのSNSトレンドに詳しくなければならないし、その中でどのような雰囲気でコミュニケーションが行われているのかを知らなければならないからだ。
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