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執筆者の写真CB編集部

中国産テスラ値下げにも関わらず混乱


 中国でテスラのモデル3が456万円(30万3550元)から437万円(27万155元)に値下げされた。背景にあるのは国の制度だ。中国政府が行なっているEV購入の補助金制度が改変され、4月23日から30万元未満のEVにしか適用されなくなったのだ。モデル3は中国国内で生産されており、補助金の対象だ。


 中国政府はこれまでEVの購入を促進するために補助金を出してきたが、この促進政策は2020年で終わりにする予定だった。しかし新型コロナウィルスの騒動で、売上が鈍化し、条件を狭めて、購入促進を延長したのだ。


 前述の中国産のモデル3は補助金が適応されるので、最終的に404万円程度で購入できる。


 しかし、この動きに伴って、混乱する動きが出ている。まず、テスラのモデル3が発売から僅か1週間で値下げになったことに対して、既に予約済みの客から差分を返金して欲しい、そうしないとキャンセルしたいとの声が上がった。また既に購入してしまった人は更に不満であり、ネット上で不満のコメントが3000件以上上がり、下記の抗議活動も行われた。

写真はテスラ販売店で抗議する人達。

横断幕には

「買うならもう少し待った方が良い!また値下げするかも!」

「予約したいなら少し待った方が良い!明日値下げの幅がもっと大きくなるかも!」

と書いてある。


左の写真は、別のテスラ販売店で消費者が抗議をしている様子。

横断幕には

「テスラは、適当な値下げを行い、消費者の権利を侵害した」

と書かれている。


 この背景には、テスラ側の対応にも原因がある。まずEV車に対する補助金が改変された翌日に(4月24日)、テスラ中国公式サイトでモデル3が以下のように一度値上げされた。

  • 国産モデル3スタンダードレンジ 4500元UP(6万7千円)

  • 中国産モデル3ロングレンジモデル 5000元UP(7万5千円)

その後、5月1日に上述の値段に下げされたのである。


 テスラの値段変動は“ジェットコースターのようだ”という例えがある。しかしそれにも関わらずモデル3は好調である。2020年1〜3月期ではは中国国内のEV車売上のトップだった。販売数も約1.66万台である。上海の工場の生産量もアップできるように進められており、2020年半ばからモデル3を週4000台の生産、年間20万台の生産を目指している。中国産モデル3は国内生産が講じて粗利も高い。


 中国では自動車の販売不振が続いているが、高級車の市場は堅調である。400万円程度のテスラモデル3は準高級車市場として捉えられており、今後も期待される市場である。今回の騒動は、消費者が関心を持っている裏返しといえる。

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