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コロナ後の中国でハイブランドに行列

日本ではコロナの影響のために、現在でも多くのデパートが苦戦しているが、中国では既にデパートに行列が出来ている。行列はセール品ではなくハイブランド品だ。

 

なぜこんなに行列ができるのか?それはハイブランドの値上げと関係がある。実は中国では2020年になってから3月、5月、7月と3回も複数のハイブランドが値上げを行った。値上げは全世界共通のものであり、コロナで原材料の仕入れ価格が高騰したという説明がなされている。


そして9月に再度値上げされるという噂がネットで広がると、ハイブランド店に行列が出来た。値上げ前に買おうということである。


特にルイヴィトンは、上海恒隆店で2020年8月に、売上が1.5億元(約23億円)を記録し、歴代中国国内の単月トップを更新した。(写真はSNSでアップされたルイヴィトンの写真)


中国人の王さんは社会人2年目の自分へのご褒美として、8月初旬にルイヴィトンのバックを買おうと思った。そんな王さんが目にしたのは、ルイヴィトンの店の前に出来ている行列だ。「ルイヴィトンの店の前で1時間ほど並んだ。出てきた客がみんな少なくとも1つの袋を持って出てきている状況。あまりに買い物をする客が多いため、閉店時間が延長する事態となった。」と王さんは言っている。

 

ボストンコンサルティンググループの調査「コロナ後の中国のハイブランド業界の動き」によると、2020年全世界ではハイブランドの売上が前年比29〜37%の落ち込み予想に対し、中国はプラス10%である。

 

コロナ後の消費回復のきっかけとなったのが、2020年4月11日にリニューアルオープンした広州のエルメスである。開業当日に1900万元の売上を記録し、「爆買い復活」を印象付けた。


北京のハイブランド店に勤める李さんによると、「本当に購買力がある人はコロナはあまり関係ない。今回のように買い求める人が増えると、1対1で接客するので時間がかかり、その結果入場制限になり行列ができる」そうだ。行列が出来ているのはルイヴィトンだけではない。様々なハイブランドのお店で、同じように行列ができている。



2020年の中国のハイブランド市場は世界から注目されている。LVMHグループの2020年上半期の売上はマイナス28%だったが、それはヨーロッパと日本での不調が原因である。しかし中国は購買力が回復しているので、今後LVMHグループ全体の売上が回復する見込みがなされている。(グラフはLVMHグループの株価の値動き。中国で消費が復活した2020年5月末頃から株価が復活している。)


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